CPAP(シーパップ)とは?

CPAP(シーパップ:経鼻的持続陽圧呼吸療法)は、鼻や口にマスクを装着し、機械から一定の圧力で空気を送り込むことで、睡眠中に狭くなった気道を広げて維持する治療方法です。睡眠時無呼吸症候群(SAS)の治療として、内科などでも広く行われています。
CPAPの特徴はその即効性にあります。適切に使用すれば、治療を開始した初日から症状が改善されることも多く、朝の目覚めの良さや日中の眠気の改善を実感することが可能になります。
CPAPの適応となる患者さん
重症度による判断
一般的に簡易検査でAHI40以上(※)、あるいは精密検査(PSG)でAHI20以上の睡眠時無呼吸症候群ではCPAPの適応となり、保険診療でのCPAPが可能です。
(※)AHI…1時間に起きた10秒以上の無呼吸・低呼吸の回数
CPAP治療継続の注意点
CPAP療法は対症療法であり、中止すれば症状が元に戻ります。不安や不明点がある際は、自己判断で中止せず、必ず医師にご相談ください。
なお、健康保険適用での治療には定期的な受診が必要です。
他の治療方法との比較
CPAPは決して万能ではありません。特に鼻づまりが酷いケースでは、CPAPを行っても十分な効果が得られないこともあります。マウスピース療法や手術が適している場合は、それらについても詳しく説明し、患者さんと一緒に最適な治療方法を選択します。
治療の流れ
Step01
患者さんへの説明
CPAPは長期間にわたる治療であるため、まず治療方法について丁寧にご説明します。治療の仕組み、期待される効果、継続使用の重要性、起こりうる問題とその対処法などについて、患者さんが納得されるまで時間をかけてお話しします。
Step02
最適なマスクの選択
マスクには鼻だけを覆うネーザルタイプ、鼻と口の両方を覆うフルフェイスタイプ、鼻の穴に直接装着するピロータイプの3種類があります。患者さんの顔の骨格や症状に合わせて最適なマスクを選択します。
Step03
CPAP装置の個別設定
患者さんの症状や検査結果に基づいて最適な圧力設定を行います。適切な設定により治療効果の向上が期待でき、継続使用もしやすくなります。
Step04
在宅治療と定期的なフォローアップ
治療開始後は、定期的な外来受診により治療状況や効果を詳しく確認します。装置に記録されたデータの分析、患者さんの自覚症状の変化、使用上の問題点などを総合的に評価し、必要に応じて圧力の再設定やマスクの変更を行います。
期待できる治療効果
睡眠の質の改善
CPAPにより睡眠時無呼吸が改善されると深い睡眠が得られるようになり、朝の目覚めが良くなります。夜中に何度も目が覚めることもなくなります。
日中の症状改善
慢性的な酸素不足から解放されることで、日中の眠気が改善されます。集中力や記憶力の向上、疲労感の軽減なども期待できます。また、朝の頭痛や夜間頻尿なども改善することが多くあります。
生活習慣病の改善
血圧の安定化、血糖値のコントロール改善、不整脈の減少など、様々な生活習慣病への良い影響が期待できます。特に高血圧では、CPAPにより血圧薬を減量できるケースもあります。
既にCPAPを受けている方へ
現在CPAPを受けているにも関わらず、日中の眠気や疲労感が改善されない場合は、気道の構造的な問題が関与している可能性があります。鼻づまりや扁桃腺の肥大などの原因はCPAPでは改善できないので、別のアプローチが必要です。CPAPの効果に満足されていない方は、文京区本駒込の本駒込耳鼻咽喉科へお気軽にご相談ください。
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