自宅で行える睡眠時無呼吸症候群の検査

簡易検査(簡易PSG検査)は、睡眠時無呼吸症候群を診断するための第一歩となる検査です。携帯型の検査装置をお貸ししてご自宅で実施できるのが特徴で、いつものベッドでいつもの時間に寝ながら検査を行うため、より自然な睡眠状態での評価が可能になります。
診断における位置づけ
簡易検査を行うことで、睡眠時無呼吸症候群の可能性や重症度を客観的に判定できます。ただし、簡易検査はあくまでスクリーニング検査であり、より詳細な評価が必要な場合は、精密検査(後述)へと進むことになります。
検査の流れ
Step01
装置の貸し出し
簡易検査機器の貸し出し方法は、クリニックでの直接貸し出しと提携業者からの配送貸し出しの2つの方法がございます。
クリニックでの貸し出しの場合
診察後に当院で機器の使用方法をご説明し、その場でお渡しいたします。
業者からの貸し出しの場合
診察後に提携業者へ手配を行い、ご自宅へ検査機器を配送いたします。受け取り後、同梱の説明書に従ってご使用ください。
Step02
検査前の準備
- 検査当日は普段通りの生活を送っていただきます。
- アルコールやカフェインは検査結果に影響する可能性があるため、検査当日の摂取は控えてください。
- 爪にマニキュアが塗ってあると酸素濃度の測定が正確に行えないため、検査前には除去していただきます。
Step03
機器の装着方法
- 検査は診察時にお貸しした機器を使用します
- ご自身で装置を装着し、いつもどおりに就寝していただきます。
- 寝返りを打っても問題ありませんが、センサーが外れないよう注意してください。
Step04
検査開始
- 指先と喉のあたりにセンサーを取り付けます(鼻にチューブを装着するタイプの機器もございます)。
- 機器を装着後、いつも通りに就寝していただきます。
- 寝返りを打っても問題ありませんが、センサーが外れないよう注意してください。
- 朝起きた時に記録を停止してください。
検査で測定する項目
- 呼吸の状態 など
- いびき
- 体位
- 脈拍数
- 胸や腹の動き(呼吸努力)
簡易検査のみでも睡眠時無呼吸症候群と診断できるケース
正常な睡眠を妨げる病気や基礎疾患(高血圧や糖尿病など)がなく、以下の症状に2つ以上当てはまる場合は、簡易検査のみでも睡眠時無呼吸症候群と診断できます。
- 大きないびきがある
- 頻繁に無呼吸状態がある
- 息苦しさで目が覚める
- 日中に過度の眠気がある
Step05
クリニック受診
医師がデータを分析して結果をご説明します。
検査結果の読み方
AHI(無呼吸低呼吸指数)
1時間あたりに呼吸が止まったり浅くなったりする回数を表します。一般的に、AHIが5~15回は軽症、15~30回は中等症、30回以上で重症の睡眠時無呼吸症候群となります。
酸素濃度の低下
血液中の酸素濃度がどの程度下がっているかも重要な指標です。正常な状態では96%以上を維持しますが、睡眠時無呼吸症候群では90%を下回ることがあります。酸素濃度の低下が頻繁に起こると、心臓や脳への負担が大きくなります。
その他の重要な指標
呼吸の停止時間や、一晩での最低酸素濃度なども評価します。これらの数値を総合的に判断し、治療の必要性や治療方法を決定します。
精密検査(PSG検査)への移行
簡易検査の結果、より詳しい評価が必要と判断した場合は、病院への一泊入院による精密検査(終夜睡眠ポリグラフ検査:PSG)をご案内します。精密検査では脳波や筋電図なども測定し、睡眠の段階や質についてより詳細に評価できますので、睡眠時無呼吸症候群の確定診断が可能です。
※提携先病院をご紹介します
検査結果に基づく治療選択
文京区本駒込の本駒込耳鼻咽喉科では、各検査の結果を踏まえ、患者さんの症状や生活スタイルに応じた最適な治療方法を提案します。睡眠時無呼吸症候群の正確な診断は適切な治療への第一歩です。いびきや日中の眠気でお悩みの方は、まずは簡易検査から始めてみませんか?