集中力・記憶力の低下

集中力・記憶力の低下

集中力・記憶力の低下はSASのサイン?

集中力・記憶力の低下はSASのサイン?

仕事や勉強に集中できない、物忘れが多くなった、新しいことが覚えられないといった症状は、単なる加齢現象ではなく睡眠時無呼吸症候群(SAS)による脳機能の低下が原因かもしれません。
睡眠時無呼吸症候群では、睡眠中に繰り返される呼吸停止により脳が慢性的な酸素不足状態になります。脳は身体の中で酸素を多く消費する臓器のため、酸素不足の影響を強く受け、認知機能の低下が現れやすくなります。

早めのご相談をおすすめします

注意力、集中力、記憶力といった高次脳機能は、質の良い睡眠によって維持されています。睡眠中に脳の老廃物が除去されることで記憶が整理されるため、睡眠の質が低下するとこれらの機能が損なわれる場合があります。

睡眠時無呼吸症候群は適切な治療により改善可能です。文京区本駒込の本駒込耳鼻咽喉科では、耳鼻咽喉科の専門性を活かして認知機能低下の根本原因を特定し、患者さんに適した治療方法をご提案いたします。脳の健康を守るためにも、気になる症状がある際は早めにご相談ください。

集中力・記憶力の低下のメカニズム

脳の酸素不足

睡眠中の呼吸停止により、脳への酸素供給が不足します。特に前頭葉という集中力や判断力を司る部分が影響を受けやすく、日中の認知機能低下の主要な原因となります。

睡眠の質の悪化

深い睡眠の段階で行われる記憶の整理や定着が妨げられます。また、脳の老廃物の除去が不十分になり、脳の働きが低下して集中力や記憶力に影響を与えます。

慢性的な疲労

質の悪い睡眠により、脳が十分に休息できません。慢性的な疲労状態では、新しい情報を処理する能力や、集中して作業を継続する能力が低下します。

放置のリスク

仕事や学習のパフォーマンス低下

集中力や記憶力の低下を放置すると、仕事や学習のパフォーマンスが低下する恐れがあります。会議での理解力不足、新しいスキルの習得困難、重要な情報の忘却などにより、キャリアや学業に深刻な影響を与える可能性もあります。

対人関係・社会生活への悪影響

日常生活においても、約束を忘れる、物の置き場所を忘れる、料理の手順を間違えるなど、様々な支障が生じます。これらは家族関係や社会生活にも影響を与え、自信の低下や抑うつ気分につながることがあります。

認知症のリスク増大

慢性的な睡眠不足が認知症のリスクを高める可能性が指摘されています。脳の機能維持には質の良い睡眠が不可欠であり、早期の対処が将来の脳の健康を守ることにつながります。

診断の流れ

Step01

問診・認知機能の評価

集中力低下の程度、記憶力の問題の種類、症状の出現時期などを詳しく伺います。また、睡眠状況、日中の眠気、いびきの有無などについても確認し、症状の背景を探ります。

Step02

気道の状態評価

鼻腔から咽頭までの気道全体を内視鏡(ファイバースコープ)で観察します。鼻づまりや扁桃腺肥大などの解剖学的な問題が、睡眠の質の低下を通じて認知機能に影響していないか詳しく評価します。

Step03

睡眠検査(簡易検査)

睡眠時無呼吸症候群が疑われる場合は、ご自宅で実施可能な簡易検査をご案内します。お貸しした装置を着けて一晩眠っていただき、睡眠中の呼吸状態、血中酸素濃度の変動を測定します。検査結果から認知機能低下との関連性を明らかにします。

集中力・記憶力の低下に対する治療

CPAP・マウスピース療法

睡眠時無呼吸症候群が確認された場合は、CPAP(シーパップ)やマウスピース(口腔内装置:OA)などによって睡眠の質の向上を図ります。適切な治療により睡眠の質が改善されると、集中力や記憶力の回復を実感できる場合も多いです。

生活習慣の改善

規則正しい睡眠習慣の確立、適度な運動、栄養バランスの改善などを指導いたします。特に脳機能の維持には質の良い睡眠が重要で、睡眠環境の整備も認知機能改善に効果的です。

原因に応じた治療

注意欠如・多動性障害(ADHD)やうつ病、適応障害によるブレインフォグ(※)、脳血管障害(脳卒中)など、睡眠の質以外の要因が認知機能低下の原因となることもあります。この場合は直ちに精神科や心療内科、脳神経外科をご紹介して最適な治療へとつなげます。

(※)思考がぼんやりとして頭がすっきりしない状態。集中力や記憶力が低下し、考えがまとまらなくなる