大きないびきは睡眠時無呼吸症候群のサイン?

いびきは睡眠中に気道が狭くなることで、空気が通る際に喉や鼻の粘膜が振動して生じます。疲労や飲酒などによる一時的ないびきであれば基本的に心配ありませんが、慢性的で大きないびきは睡眠時無呼吸症候群(SAS)のサインかもしれません。
早めのご相談をおすすめします
特に注意が必要なのは、息苦しさで目が覚める、パートナーから頻繁に指摘されるなどの場合です。単なるいびきではなく、治療が必要な状態の可能性がありますので、まずは一度ご相談ください。
耳鼻咽喉科専門医のいる文京区本駒込の本駒込耳鼻咽喉科では、いびきの根本原因を正確に特定し、患者さんに適した治療方法をご提案いたします。
いびきの原因
解剖学的な要因
鼻づまり
鼻中隔弯曲症、慢性鼻炎、アレルギー性鼻炎などにより鼻がつまると、口呼吸が増加し、いびきの原因となります。鼻づまりがあると気道の抵抗が増し、呼吸時に喉の振動が強くなるためです。
扁桃腺、アデノイド肥大
扁桃腺やアデノイドの肥大により、物理的に気道が狭くなります。特に子どもの場合、扁桃腺肥大が主要な原因となることが多く、成長にも影響を与える可能性があります。
舌や顎の形状
舌が大きい、下顎が小さい、軟口蓋が長いなどの解剖学的特徴により、睡眠中に舌が沈下しやすくなります。これにより気道が狭くなり、いびきが生じます。
肥満
首まわりの脂肪が気道を外側から圧迫し、内腔を狭くします。体重が増加するほどいびきは悪化しやすく、減量により改善が期待できる代表的な原因です。
その他の要因
飲酒・睡眠薬
アルコールや睡眠薬は筋肉の緊張を緩めるため、舌が喉側に沈下していびきを起こしやすくなります。一時的なものであれば問題ありませんが、就寝前の飲酒や睡眠薬の使用が習慣化している方はご注意ください。
加齢
年齢とともに筋力が低下し、睡眠中に気道を支える筋肉の働きが弱くなります。これにより、若い頃にはなかったいびきが出現することがあります。
放置のリスク
心血管疾患のリスク増大
慢性的ないびきを放置すると、睡眠の質が低下し、様々な健康問題を引き起こします。睡眠中の酸素不足により、高血圧や心筋梗塞、脳梗塞などの心血管疾患のリスクが高まります。
日中のパフォーマンスの低下
睡眠不足による日中の強い眠気は、仕事の効率を低下させるだけでなく、運転中の居眠り事故など重大な事故につながる危険性があります。集中力や記憶力の低下、うつ症状なども現れやすくなるとされています。
家族の睡眠への影響
いびきは同居するご家族の睡眠も妨げます。パートナーの睡眠不足や関係性の悪化を防ぐためにも、早めの対処が重要です。
診断の流れ
Step01
問診・気道の状態評価
まず、いびきの頻度や大きさ、ご家族からの指摘内容を詳しく伺います。その後、鼻腔から咽頭まで気道全体の状態を内視鏡(ファイバースコープ)で観察し、鼻中隔の状態、扁桃腺の大きさ、軟口蓋の形状などを評価します。
Step02
睡眠検査(簡易検査)
睡眠時無呼吸症候群が疑われる場合は、ご自宅でできる簡易検査をご案内します。装置を装着して普段どおり一晩眠っていただき、睡眠中の呼吸状態、血中酸素濃度、心拍数を測定し、いびきの背景にある病気の有無を調べます。
※より詳細な評価が必要な場合には、提携先病院をご紹介して精密検査(終夜睡眠ポリグラフ検査:PSG)をご案内いたします
いびきの治療

睡眠時無呼吸症候群を伴う場合は、CPAPやマウスピース治療を検討します。気道を物理的に開いたり、下顎の位置を調整したりすることで、いびきと呼吸停止の両方を改善します。
生活習慣の改善も重要な治療の一環で、適正体重の維持、禁酒・禁煙、横向き睡眠の習慣化などを指導し、根本的な原因にアプローチします。患者さんの状態に応じて、複数の治療方法を組み合わせることもあります。